私と同じような確認方法でやってる記事を見た事がないので、記事に起こします。
例によって、シマノしか知らないのでシマノのお話です。
基本的な事は、リアディレイラーの調整方法もシマノのマニュアルに載ってますので割愛します。
https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/GN0001/DM-GN0001-26-JPN.pdf
ここの10ページからリアディレイラーの調整です。
ロードのRD(リアディレイラー)だからと25ページから読んでしまう人がいますが、10ページも大切な事が書いてあるので読み飛ばさないようにしましょう。
初心者の頃から、このマニュアルの変速調整読んで違和感を感じたのが2点。
チェーンの長さ決めと、ギア位置(ケーブルの張り)調整。
どちらも、条件によって最適解が違いそうなのと現物できっちり確認すれば良い事なのでマニュアルには従ってないです。
チェーンの長さ決めはまた記事を書くとして、今回はギア位置の調整について。
シマノは
と書いてますが、
「全ギア構成で確認して一番いいところがベストだろ。」
と、考えて全速でシフトアップ、シフトダウンを繰り返してケーブル調整してます。
今回気になって、シフト調整完了後にシマノ方式を確認してみました。
遊び部分ではRDちっとも動かんけど?
おそらく遊びの定義が違うんだろうけど、個人的には遊びなんだから「レバーが軽く動いてそこから抵抗を感じるまで」が遊びと考えてます。
んで、RDちっとも動かないのでそこから力を加えていって3段目に接触するまで押すと・・・境目が分からんわ。
シフトしきるまで抵抗が明確に変わる事はないので、その遊びを基準に調整出来ないと思う。
みんなどうやってこの方法やってんだろう?
以前変速の相談受けた事があって、その人に
「どんな風にやってんの?」
って聞いたらシマノのマニュアル方式って言われたので、全速で確認して一番いい所に調整って答えたんですが、あの人どこまでを遊びの基準したのかな?
ディーラーマニュアルに書いてある事なので、自転車屋さんがいかに短時間で整備できるかを優先した方法かと思ってた・・・
追記:何度も確認した結果、レバー操作が重くなってから微妙に2段階の重さがある事がわかりました。おそらく下図のオレンジ矢印のところが「遊び分を操作」したところだと思います。この微妙な所では当てにならないし、いずれにせよ全段で確認するから二度手間になるので今後もこの方式は使わないと思います。
お勧めの確認方法
私のやってる確認方法だと、
- クランク停止
- シフター変速
- RD移動
- クランク回転
- ギア変更
の繰り返し。
大きいギアから小さいギアにチェーンが落ちるシフトアップは神経質にならなくてもそれなりに変速しますが、小さいギアから大きいギアに乗り上げるシフトダウンはスプロケットのシフトポイントで確実に変速するか確認します。
youtu.be
一々止めてから確認するのは、
- 勢いで何となく変速してしまうのを防ぐ
- 変速ポイント(変速し易い加工された箇所)を逃した事を見逃してしまう
- シフトレバーから確実に手を放してからの変速
を確認するためです。
特に、シフトダウン時のシフトレバー操作は重要で例えば7速から6速に変速する際に押し過ぎると、6速のRD位置よりホイール側に寄って本来のレバー位置ならきちんと変速出来ないはずなのに変速してしまう可能性があります。
これでは正確な調整が出来ません。
よく、「静止状態で変速調整しても実走で微調整が必要」と聞くのですが、この一旦止めて変速する方式で上手く調整出来れば実走で調整し直した事がありません。
※追記:変速ポイントについて記事書きました
スプロケットの変速ポイント(切り換わり個所)について (記事リンク)
注意点等
マニュアルにない又は見落としがちな注意点を書くと
- シフトダウンの変速ポイントは歯数の多いものは1回転に3~4ヶ所、少ないものは2ヶ所あるので半周以上チェーンが次のギアに乗り上げない場合は変速不良
- シフトアップはチェーンが飛び降りるだけなので、カチカチと音が鳴って変速が遅れるのは変速不良
- ワイヤーの取り回しが悪かったり、処理がいい加減だと抵抗が増えて変速不良を起こす。
- チェーンが伸びている、スプロケット、プーリーが摩耗しているなども変速不良を起こす。
- チェーンの接続不良で変速不良を起こしたというのも聞いた事があります。
- もちろんRDの不良品やシフターの不良品(フリマで買ったのがそうだった)も変速不良を起こす。
- 意外とBテンションボルトを調整しない人が多い。
- ストローク調整しないとスポークがディレーラー巻き込んで大変な事になる
変速調整で役立つテクニック
・チェーンが掛かったままストローク調整をする
ストローク調整といえば、チェーンを取り付ける前にするもの。
再度調整するのにチェーン外すのは面倒なので私は付けたままやってます。
youtu.be
注意しなければならないのは、正しい位置で止まってると思っても必ずストローク調整で制限をかけること。たまたまスプロケットの真下で止まってる場合もあり、ケーブル調整したりケーブルが延びたりした時に停止位置が変わり、チェーン落ちしたりディレーラー巻き込んだりする可能性があります。確実にストローク調整ねじで動く事を確認して制限を掛けましょう。
必ずネジを締めこんでガイドプーリーの位置を動かして終了させます(以降ゆるめない)。
元々問題無い位置だとしても、一旦緩めて移動させそこから締めて調整を終わらせましょう。
・インナーケーブルの固定
インナーケーブル固定はかなり強く引っ張りつつ固定ボルトを締めて固定しなければなりません。
もう一本腕が欲しくなります。
そこで
- 固定を解除
- シフターをハイ側最大に変更
- シフターを軽く押しながらクランクを廻してシフトダウン
- 3~4速分シフトダウン
- インナーケーブルを固定
- クランクを廻してRDが変速しようとするギアまで変更
すると、インナーケーブルを引っ張って固定しなくてもある程度テンションを掛けられます。
テンション足りない分は4.のシフトダウン分を増やします。
テンションがきつい場合はケーブルを軽く引っ張りながら、固定ボルトを少しずつ緩めてケーブルをシフター側少しだけ戻します。
フロントディレイラーでも使えます。
・調整ねじの回転方向
- ストローク調整ねじは「スプロケットの外側に拡がらないようにねじを締めて(右回し)抑制する」又は、「締めるとスプロケットの中心側に移動する」と覚えておくと、Hi、Loとも共通で覚えられる。
- Bテンションボルトは締めるとプーリーが下がる
- ケーブル調整ボルトは締めるとアウターケーブルとインナーケーブル固定ボルトの距離が短くなるからインナーケーブルのテンションが下がる→ディレーラーが元に戻ろうとしてHi側に移動する。(締めると緩む)
全て、逆方向に回せば(左回し)逆の現象が起こります。
私の場合は、どっちに回すとどっちに移動するかは覚えておらず、上記の現象が分かっているので考えて回す方向が分かっているだけです。
まあ、回して見れば分かりますが。
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