kapaの自転車ブログ

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折りたたみ自転車のリスク


折りたたんで小さく出来る折りたたみ自転車
当然良い面ばかりではありません。
大きなメリットの代償に、多くのデメリットを抱えています。
その中でも、最も重要な安全面のデメリットを考えてみました。
 

リコールから調べる

安全面でのリスクは何となく認識しており、以前の記事にも20km以下での運用と書いていますが、今回はリコールからそのリスクの高さを調べました。
(もちろんリコール以外にも危険な事例があり、ごく一部のデータとなります)
 
自転車産業振興協会さんのサイトにまとめがあります
 
社告・リコール情報:製品関連情報 - 自転車産業振興協会 技術研究所 (jbtc.or.jp)
 
21年度と22年度を確認してみると30件強のうちミニベロは7件
そのうちフレームと考えられるものが6件
更にその中でアルミフレームと考えられるものが5件
他の自転車はフレームと考えられるものは0件

要因を考える

安物がダメなのかと思いきやそうでもない。
折りたたみでは有名なメーカーもありますし、金額も10万円くらいからが殆ど。
リコールの数からすると、殆どが大丈夫な自転車。
ただ、走行中にフレームが折れたりすると大けがをします。
(顔から落ちて歯が何本折れたとか)
その上で車に轢かれる可能性もあります。
リコールの事例で主な原因と考えられるのが下の部分

フレーム関係でリコールが出た折りたたみ自転車中アルミフレームが5件。
その内
この部分が破断したという画像を見られたのは2件
折りたたみ部補強ブラケットに亀裂が1件
メインフレームとフランジの溶接不良が1件
この部分とは無関係な個所である事が確認出来ているのが1件
なので、この部分が主な要因と考えてます。
単なるイメージでヒンジ部分が弱そうだと考えてましたが、そうではないようです。
この部分が弱い(というより溶接不良になり易い)原因
 

アルミ溶接について

アルミの溶接は難しいと聞いた事がありましたが、調べてみると熱伝達率が高いのが原因だそうです。
溶接というのは金属を盛ってくっつけるように見えてしまいますが、一旦溶かして一体化させるものです。
熱の伝達が早いと拡散してしまい、その分目的の部位を溶かしにくくなります。
主要因と考えられる個所をみると、本体部分のパイプの厚みは薄いけど合わさるプレートの部分はしっかりとした厚みがあります。
厚みのあるプレートは接合部周辺の質量が大きいため温度が上がりにくいのに対して、フレーム本体のパイプは薄く周辺の質量が小さいので温度が上がり易いという難易度の高い溶接になる事が考えられます。
安い折り畳み自転車でリコールが頻発してそうなイメージですが、調べた21年度、22年度についてはそうではなく、安い折り畳み自転車は鉄製である事がリコールが出てきていない理由のような気がします。

追記:リコールは基本的に自主的にするもので、あまりひどいと行政から命令が出るようです。高価な折りたたみ自転車の方が積極的にリコールを行うだけという可能性もあります。 

危険性について

上記の溶接の難易度が高いという理由以外にも、
・全般的にタイヤサイズが小さく段差や外乱に弱い
・折りたたみ機構があるため、通常の自転車より部品点数が多くトラブルの原因になる
(実際にハンドル折りたたみ部のピンが折れてグラグラになった事例もあるようです)
トップチューブのみで前後を繋いでいるため、応力が集中しやすい。
といった事が考えられます。

リスクの回避・軽減について

私が20km/h程度までの運用を考えているというのは、このあたりの危険性を憂慮して考えています。
ただ、20km/hに根拠は無く20km/h以下なら安心という訳ではありません。
ただ速度が低ければ、
・運動エネルギーは速度の二乗に比例するので、ぶつかったり転んだりした時のエネルギーは時速15kmであれば時速30kmの1/4になります。
・フレーム破断など重大事故が起きても速度が低い方が対処(受け身をとったり躱したり)する時間が稼げます。
 (歩くような速度であれば、本人は無傷という可能性もあります)
・車体が路面などから受けるエネルギーも同様です。
・速度を出すために必要なエネルギーも低くなるので、自転車を漕ぐ事によって与えるダメージも少なくなります。
 
リスクについて書いてきましたが、持ち運びであったり、収納であったりという他の自転車にはない利便性が非常に高いのが折りたたみ自転車の持ち味です。
普段の自転車として使用してリスクだけ追うのはどうかと思いますが、旅のお供とか、車に積んでおいてちょっと出かけた先でサイクリングとかフットワークの軽さは他の自転車では得られません。
リスクを理解した上で上手に使えば今までにない楽しい自転車ライフを送れると思います。

追記:SNSを見てると折りたたみ自転車とは思えない速度でバンバン走っている方を見かけます。そんな状況でもフレームが折れたりしていないようなので、運や環境の影響が大きくフレームが折れて転倒するなどの状況はごくごく稀だろうと思います。(ただ、起きてしまった時の身体ダメージが非常に大きいようです)

 
 
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