「チェーンが伸びると言うが、プレートが伸びている訳ではなくて摩耗している」
と聞いた事があると思います。
どの部分が摩耗したらチェーンが「伸びる」のか簡単に図解します。
上の図は断面図。
どこが摩耗するのかといえば、見ての通りギザギザで囲まれた部分です。
一か所しか囲んでませんが断面図で言えば4か所(インナープレートとピンの接触部分)になります。
ここが擦れて摩耗していきます。
どこが潤滑されればいいのか、どこをきれいにすればいいのかが分かります。
チェーンリングやスプロケットと接触するローラーが削れて伸びるかのように発言されているのを見かけた事がありますが、その場合は各ローラー間が僅かに拡がっても全体の長さが長くなる「伸び」にはなりません。
ピンとインナープレートの隙間が拡がる事により、テンションが掛かった時インナープレートとアウタープレートのズレが大きくなるので「伸びた」と表現されます。
それぞれはほんの僅かでも、ピン1個あたり0.1mmも削れたら10リンク(5コマ)1mm長くなります。
この場合、0.79%になりますのでおおよその交換時期です。
詳細CADで描きましたので、お暇な方は見ていってください。
(画像はクリックして見てください。)
未使用時もインナープレートとピンの間に隙間がありますので、テンション掛けると若干長さが変わります。(一番上と2番目のチェーン状態)
更に磨耗すると3番目のチェーンになります。
(上記の0.1mm磨耗したパターンでピン10個で1mm長くなってます)
2段目の拡大図、ギザギザ部分が磨耗する箇所。
矢印はチェーンの回転方向でクランクに引っ張られ、チェーンはスプロケットにより→と反対方向に引っ張られます。
ピンはアウタープレートにカシメられているので、両者の位置関係が変わりません。
一方、インナープレートとピンはチェーンの角度を変えるため僅かに隙間があります。
(こちらもカシメたら曲がりません)
このようにテンションが掛かると、ピンとインナープレートがの隙間が無くなり強く接触して擦れることで磨耗します。
3段目の拡大図。
ピンのみ磨耗した図で表現しています。
インナープレートがピンに食い込む形でチェーンの全長を伸ばします。
拡大図を見ていただけば分かるのですが、ローラーが磨耗したからといって直接的にチェーンが伸びる事はありません。
拡大図を見ると、油で潤滑する必要のある箇所も分かりやすと思います。
追記:実際にチェーンを分解してみました。
追記:思ったような記事が見当たらなかったので、この記事作成しましたがシマノが簡単に書いてあるのを見つけたのでリンク貼っておきます。
少し上のリンク「チェーンを分解してみた」の写真を見て頂ければ、アウタープレートから見ると内側(インナーから見ると外側)のみが摩耗しているのが分かります)
シマノの図解は摩耗ポイントが多すぎますね・・・
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