kapaの自転車ブログ

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スプロケットの選び方 前編

我流ですが、データによるスプロケットの選び方を書いてみようと思います。

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1.必要な歯数を確認する。

 当然の事ですが、必要な歯数が無ければペダルが重すぎて登れないとか、軽すぎて必要以上にケイデンス(クランクの回転数)上げなければならずしんどかったりします。
 現在のスプロケットを基準にして、「現状使っても2速までしかシフトダウンしないから1速の32Tは不要」とか「1速が28Tだけど、登りでもう少し軽くしたいから32Tが欲しい」など条件を割り出していきます。
(もちろんトップ側も「11T使わないから不要」など)
 

2.使用する変速段数に合うスプロケットにはどんな歯数があるか調べる。

 残念ながら好きな歯数のギアを並べる事は出来ないので、どんな歯数構成のスプロケットがあるのか探します。
 今回9速で話を進めていきますので、シマノの9速スプロケットを例に挙げると
 ・9速は11T(ギアの山数が11)より少ない歯数のギアがない。
 ・9速は14Tより多い歯数のギアもない。
 ・1速は36Tより多い歯数のギアがない。
 ・1速は25Tより少ない歯数のギアがない。
 となります。
 じゃあ14ー34Tや32Tがあるのかと言えばこれも無い。
 組み合わせが限られているので、手に入るスプロケットを調べてその中から選ぶ事になります。
 

3.スプロケットの特徴を知る

 ・ギアレシオ表

 下の表は、私が所有しているスプロケットのうち9速 11-30Tのギアレシオです。
f:id:kapa0:20211208030638p:plain
 実際に使ってるクランクは、ギア2枚のものですが説明用に3枚の構成で表を作ってます。
 必ずしもこんな表を作る必要はありませんが、傾向を掴むのに便利です。
 ギアレシオというのは、クランク1回転でリアタイヤが何回転回るかという比率です。
 計算方法は
 チェーンリング(クランクについてるギア板)の歯数÷スプロケットの歯数=ギアレシオ
となります。
 表にある項目で「差」というものがありますが、これはシフトアップした時にギアレシオがどのくらい変わるかを表したもので次のギアとの差を計算したものです。
 色分けしてあり、緑に近いほど差が少なく赤に近づく程差が大きくなります。
 「歯数差」はシフトアップした時に、スプロケットの歯数がいくつ増えるかを表したものです。
 この差が小さい程、より繊細に変速出来て、「今のギアだとちょっと軽すぎだけど、シフトアップしたら少し重すぎる」なんて事が起きにくくなります。
 この歯数差、なんだかローギアに近づく程大きくなっています。
 これは殆どのスプロケットで、多かれ少なかれその傾向があります。

・歯数差の理由

 出来るだけ均等にした方が良さそうに思えるのになんでこんな風になってるのか、表にしてみると分かり易いので表にしてみました。
f:id:kapa0:20211208031319p:plain
 グラデーションが美しい。
 ・・・じゃなくて、もうちょっと分かり易くグラフで
f:id:kapa0:20211208031708p:plain
 縦軸がギアレシオ、横軸がスプロケットのギア1~9速。
 インナー(内側)、ミドル(中間)、アウター(外側)のチェーンリングで3本の線を引いてます。
 傾斜が強いほど、変速時急激に重くなったり軽くなったりします、
 アウター(緑の線)を見てもらうのが分かり易いと思いますが、重いギアになるほど大きく変化します。
 歯数は同じだけ変わるのですが、1T(歯)の重みが異なるからです。
 具体的には13T→11Tになった場合は、ギアレシオで言うと
 (13-11)/13=2/13
 減りますが、26T→24Tになった場合は
 (26-24)/26=2/26→1/13
 減っただけ。
 スプロケットの構成にもよりますが、トップギア付近とローギア付近の変速ではギアレシオの差が2倍にもなります。
 表で言えば、歯数が少なくなる程(重いギアになる程)赤に近づく(差が大きくなる)のがこれです。
 重いギアになればなるほど、急激に重くなるスプロケット・・・
 そんなのいらねぇ。
 と、いうことで歯数差を変える事によりギアレシオの差を補正するスプロケットが殆どです。
 7速と11速に2Tずつ変化するスプロケットがありますけどね。
 (7速は板が少ないし、安物のボスフリーなんで扱いが酷いのは分かるんですが、11速は・・・無理やりな事してるから方法が無かったのかも?)

・チェーンリングによっても違う

 もう一つ、表やグラフで気づくと思いますがチェーンリングによってもギアレシオの変化が異なります。
 アウターなど重い(歯数の多い)チェーンリングの方が、軽い(歯数の少ない)チェーンリングよりギアレシオの変化が大きいです。
 表が分かり易いと思いますが、ギアが重くなるほど赤に近づきます(変化量が大きくなる)。
 こちらも1Tの重みが変わるためで、先に書いたギアレシオの計算方法から
 変化量は、
  チェーンリング歯数÷変化後のスプロケット歯数ーチェーンリング歯数÷変化前のスプロケット歯数
 なので、インナーチェーンリングの場合
 30÷11-30÷13=30×(1/11-1/13)
 アウターチェーンリングの場合
 50÷11-50÷13=50×(1/11-1/13)
 となりギアレシオの変化量はチェーンリングの歯数に比例する事が分かります。
 簡単にまとめると、
 ・スプロケットは歯数が少なくなるほど1T(歯の山)ギアレシオの変化が大きい
 ・チェーンリングの歯数が多いほど、スプロケット1T辺りのギアレシオは変化が大きい
 

・歯数差による補正例

 9速のスプロケットをいくつか例として挙げておきます。
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 黄色は実在しないスプロケットで、補正しなかった場合の基準として2Tずつ歯数が増える構成としています。
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 1.で書いた通り、最も重要なのは必要な歯数があるかどうかなので、どうしても34Tが必要であればギアレシオの変化率が思わしくなくても、この中で選ぶなら11-34Tを選ぶしかありません。
 逆に11Tも不要、26T以上の歯数も不要となれば11-25Tになるのですが、正直1⇔2、2⇔3間の変化率が小さくてもメリットを享受できる事は殆ど無いと思います。(これがトップ側なら利用価値もあるのですが)
この場合、ほぼ使わなくても27Tがある11-27Tを選んだ方が良さそうだという事が分かります、(絶対26T以上の歯数使わないなら11-25Tの方が良いですが)
 
長くなったので、残りは後日「後編」を書きます。
追記:書きました↓

スプロケットの選び方 後編 (記事リンク) 

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