データを基にしたスプロケットの選び方の続きです。
前回はこちら↓
スプロケットの選び方 前編 -(記事リンク)
4.比較検討する
自分の持ってるスプロケットと、目星をつけたスプロケットの表を作りました。
私の場合、
- メインが平地でギアレシオ2.0~3.0もあれば殆どをこなせる
- 欲を言えば2.5~3.0までが細かく変速出来ると嬉しい
- 下はギアレシオ1.2くらいあるのが理想。
- 非力なので、上はギアレシオ3.5もあれば下りでも十分
その辺りを目安に最適なスプロケットを探していきます。
上の画像は小さいので、個別で見ていきます。
12-25T
現在使用中のスプロケットと、チェーンリングです。(フロントは2速なのでミドルは0を入れて表示しています)
赤文字はインナー×ハイ又はアウター×ロー、タスキ掛けと呼ばれるギア構成でパーツに優しくないので使わない方がいいギア構成。
このスプロケットの場合は、スタート時フロントインナー×リア5速からシフトアップしていってリア8速で物足りないならフロントをアウターに切り替えれば良い事が表から見えてきます。
アウター×4速から5速に変わる時のギアレシオが2.632から2.941とその差が0.3を超えるのと、更に上のギアに変速すると0.4近くギアレシオが離れるのは気になるところ。
11-30T
次にもう一つ所有している11-30Tを見てみましょう。
このスプロケットの場合は、フロントインナー×リア5速又は6速からスタートして7速までシフトアップ、その後フロントをアウターに切り替えた方がギアレシオ2.5付近の繋がりが良くなります。
前編で「チェーンリングの歯数が多いほど、スプロケット1T辺りのギアレシオは変化が大きい」と書きましたが、フロントアウター×4速→5速の方が、フロントインナー×7速→8速よりも変化が少ない現象が起きてます。
これはもう一つの条件「スプロケットは歯数が少なくなるほど1T(歯の山)ギアレシオの変化が大きい」の影響を受けた事によるものです。
最小ギアレシオが1.133と1.2を大きく下回っているのは助かるが、普段使うギアレシオ周辺は殆どが0.3以上変化してくるのは面白くない。
11ー28T
目をつけていたスプロケットがあるので、次はそちら。
こちらも表を見ると、スタート時フロントインナー×リヤ4速又は5速から8速まで上げて、ギアレシオが足りなかった場合フロントアウターに変速する事になるのがわかる。
フロントアウターに切り替えても31.25-30.91=0.292とギアレシオの変化は0.3以下に抑えられる。
私の貧脚であれば、フロントインナーだけで下り以外は事足りてしまいそうですが。
5.選定
必要な歯数
前編の1.で確認すると書いた「必要な歯数」私の場合、トップ側は気にする必要が無いくらい低いのでどれも問題無し。
ロー側は表を書くまでも無く、インナーチェーンリング÷スプロケットの最大ギア=最小ギアレシオで計算出来ます。
私の場合「最小ギアレシオが1.2くらいあるのが理想」なのでスプロケットの最大ギアが28T以上となります。
(但し激坂には、激坂用の自転車を用意しており、行先によってはその自転車に乗れば良いのでギアレシオ1.2に拘っていません)
ギアの繋がり
急激にギアレシオが変化するのは都合が悪く、特に巡行速度付近で「ギアを上げれば重すぎて、下げれば軽すぎる」という事は避けたい。
歯数差だけでなく、どのスプロケットでも歯数差が1⇔2に変わるところが大きなポイントになります。
(歯数差倍になるから影響が大きいのは当然といえば当然)
11-30T
例に挙げた3つの中で、歯数差が大きい上に1⇔2に変わるポイントが重視しているギアレシオ2.5~3.0に被るため今一つ。
12-25T
最小ギアレシオが1.440と登りに弱い。
そのくせ、私が重視している2.5~3.0近辺の繋がりが最も悪い。
(脚力によって重視すべきギアレシオが違うので、このスプロケットが悪い訳ではなく私に合わない)
更に1~3速の歯数差は私には不要でむしろ邪魔。
1,2速が27T,24Tで他の歯数は同じ構成の12-27Tがありますが、CS-6500という古い型のスプロケットで一月前までAmazonで在庫切れと残り数個を繰り返してましたが検索かけても出てこなくなりました。(しかもULTEGRAなので6000円以上します)
11-28T
目を付けてたスプロケット。
トップから4枚の歯数差が1Tなのに、1⇔2間が4Tもあって癖がありそうに思えましたが、計算してみると実にフラットに変化する仕様。
とはいえ、歯数差1⇔2切替りポイントはやはり影響が大きくギアレシオ2.5~3.0には掛からないものの、緩い下りや緩い登りなどで丁度いいギアレシオから外れる可能性があります。
私の場合この中ではベスト。
6.まとめ
- 必要な歯数を確保する
- スプロケットの歯数が小さい程、その歯数がギアレシオに大きく影響する
- チェーンリングの歯数が大きい程、スプロケットの歯数がギアレシオに大きく影響する
- 歯数差の切替り個所はギアレシオが大きく変動する(特に歯数差1⇔2部分)
- 巡行速度周辺のギアレシオが細かく選べるものを選定する
といったところが重要かと考えます。
今回の条件だと、12-25Tは最小ギアレシオを犠牲(=登りを犠牲)にしても変速の繋がりが良い結果に結びつかなかったのは興味深いところです。
7.おまけ
クランクをシクロクロス用のクランク(FC-CX50など)に変更すると、チェーンリングの切替時に歯数差1⇔2部分をかわす事が出来ます。
FC-CX50 46/36T 170mm 10S ブラック Amazonリンク
クランクが5アームでPCD110mmなら、両方のチェーンリングを交換という手もあります。(変速ポイントの関係で片方だけというのはお勧め出来ません)
チェーンリング FC-CX50 Amazon
11速化してもかわせます
但し、11-25Tとか12-25Tを使用する必要があります。
変速が慌ただしそう。
11速には14-28Tというのもあるみたいです。
良いのあるじゃん流石11速
※調べてみたら廃版ぽいです。
この記事が役に立ったと思ったら
https://amzn.to/36I4Yue(Amazonリンク)
から何か購入して頂けるとちょっとだけ私に広告料が入ります。
自転車部品やギフト券だと税抜き1000円の商品で40円。
現在月に200円程度で自転車の実験に使う費用の僅かな足しにしています。
これが例え10倍になっても、このサイト用に実験するための自転車部品代にとんじゃうので良ければご協力お願いします。
[:contents]
追記:おまけのおまけ
一番下にその他の表を追記していきます。
整備関連リンク
フラットバー用ブレーキレバーの選び方
ブレーキレバーの調整
キャリパーブレーキの分解整備
サーボブレーキの調整と構造
ダイナモランプ修理
自転車片足スタンド補修
ママチャリのBB外し 最終手段 (なんちゃってクロスや子供用含む)
チェーンの注油(我流)
錆び落とし剤
シングルギア(又は内装変速)のチェーンライン測定方法
グリップの外し方
携帯ポンプ GP-61S GIYO について(分解整備も)
例のポンプ(モドキ)を買ってみた。(GORIX GX-MP66)
パーツ関連リンク
シングルギアの負荷が軽い理由
ピスト化の効果が大きい自転車
リアディレイラーが生む抵抗
プーリーの大きさによる抵抗の違い
チェーンが伸びるとは?
チェーンを分解してみた
2ピースクランク(FC-4550) 大解剖
新型ボトムブラケット BB-UN300
続BB-UN300(Kタイプと標準を比較)
ママチャリ 8速化 スプロケット編
サーボブレーキの調整と構造
スクエアBB用のロードクランクを軽量化してみた。
ママチャリにホローテックBBをポン付け(ハンガ70mm)
ブレーキレバーの調整
フラットバー用ブレーキレバーの選び方
ママチャリのハブダイナモ
RD、スプロケ関連リンク
ママチャリ 8速化 スプロケット編
ママチャリ 700C化 RD(リアディレーラ)編
8速にママチャリRDを使う
リアディレイラーが生む抵抗
RD-R2000SSの変速性能(9速動画あり)
スプロケットの選び方 前編
スプロケットの選び方 後編
スプロケットの変速ポイント(切り換わり個所)について
リアディレイラーの調整
ちょっと特殊な11速 11-34T
ギア比が大きい程急激に変化して、ギア比が小さい程穏やかに変化します。
逆が良いな。
ちなみにCS-HG41の11-34Tとはトップ~4速が同じです。